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上司の評価に納得できない

boss and subordinate

最近は病院でも人事評価が導入されるようになってきています。

「こんなに頑張っているのに上司は分かってくれない」

「あの人より私のほうがデキるはずなのに評価が低いのは納得がいかない」

と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。

そんな方へ今回ご紹介するのは

平康慶浩 著
人生100年時代の「出世」のカラクリ
日本経済新聞社

この本では

評価に納得できないとき、上司側を原因とした理由と、自分を原因とした理由がある(P221)

と述べられています。

上司側が原因の場合

①評価基準があいまい

例えば「積極性」が評価基準であった場合、その基準の具体的な評価方法がなければ、それを適切に評価することは誰にもできっこない

②評価基準に基づく確認があいまい

上司と部下が常に一緒に行動しないからこそ起きる問題だ
だからこそ、誰が見てもわかるような数字を評価基準に据えたりするのだが、行動や能力の評価だとどうしても確認があいまいになってしまいがちだ

③評価をする意識があいまい

「どうせ評価結果なんて決まっているから、評価基準とかどうでもいい」という意識をもっている人が上司になると、どうしても納得性のある評価にはなりづらいのだ

(P222-223)

看護師の仕事の特性から評価基準があいまいになるというのは納得できるのではないでしょうか。

師長さんが1人1人の看護師に付いてまわる等は、まずないので、

実際どのように行動しているのかは師長さんが一時的に見た様子でしか判断できません。

こう見ていくと寧ろ、上司がきちんと評価する方が難しいのでは・・・と思ってきます。

自分側が原因の場合

実は人は自分のことを棚上げする癖がある。他責や自己過信がその原因だが、「常に自分は悪くない」と思ってしまう癖だ

そしておそらく、他責の人の方が世の中には多い。なぜなら他責は安らかに生きていくためには必須の考え方でもあるのだから、決して悪い考え方ではないのだ。ただしそればかりでは成長できない

(P225)

評価する側にしっかりとした説明責任を求めたとしても、これまでに示したような理由から、完全には納得できない。また、完璧に納得できる説明をされたとしても、どんな人にも少しは他責の心を持っている。だから、完全に納得することはない。心のどこかで「それは私だけの責任じゃない」と思ってしまう。(P226)

ここまで読むとなぜ会社に評価の仕組みがあるのか?

そして、なぜ病院でも人事評価の仕組みが導入されているのか?と感じます。

その疑問に対して、

評価の目的は「評価する」という予告によって、生産性を上げる点にある(P227)

と書かれているのを読み、なるほど!!と思いました。

看護師として働いていると目の前にいる患者さんや同僚、医師などの医療スタッフとの関係性やコミュニケーション、命をどう守っていくのかを考えて働いているため生産性を考える機会は少ないですが、病院も利益を出さなければならないという点では会社と同じです。

人事評価の目的が生産性を上げることなら、評価に対して納得するどうかは問題ではない。
上司の評価が納得できるか考えることはベクトルが違う問題・・・ということになります。

そうは言っても実際に上司にどう評価されるかは重要かと思います。

評価の仕組みとうまく付き合うためには、評価が出た時点ではなく、評価の基準を説明する最初の時点でしっかりとコミュニケーションをとらなくてはいけない

何をすれば評価されるのか、ということを会社から自分自身に対する成長の期待として前向きにとらえらえるかどうか、ということもポイントだ

(P227)

重要なのは、上司から評価される前です。

評価項目が決まっている物であれば、評価の基準を上司に確認し、できる限りすり合わせを行い、自分に何を期待しているのかも確認しておく。
自身で目標を立てる場合は、抽象的な表現は避けて評価基準のあいまいさを軽減しておく。

師長さん側も事前にどのような評価基準を元に評価するのか、何を期待しているのかを部下に伝えておくことで評価のずれを軽減できるのではないでしょうか。

まとめ

  • 評価に納得できない原因は上司側の場合と自分側の場合がある
  • 評価の目的は生産性を上げる点にある
  • 評価の仕組みとうまく付き合うためには、評価される前の時点が重要
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